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讀書雜志王念孫 讀書雜志
【どくしょざっし】
清の王念孫の撰。史・子についての校讎を主とした読書筆記であり、考証学の優れた成果が示されている。子の王引之が『楚辭』『文選』をも含めて『餘篇』を著している。中國書店から圏点本の影印が、中華書局から金陵書局本の圏点付きの影印本がそれぞれ出版されている。陳雄根編『讀書雜志資料便檢』(中文大學出版社)は、両書に対応する索引である。

□余談(備忘録)
 本書は先秦諸子や『戰國策』『史記』『漢書』等を読む際には是非とも参照しておきたい。以下、本書に関する批評を幾つか紹介しておく。

其の一字の誤を正すに就いても羣書に及び、精確之に比すべきものがない。一體、…經書は古昔より人の最も多く研究せしものなれば誤字も少い。しかし子類の如きは…傳寫の誤り多く、從つて讀むべからざるものが甚だ多い。されば彼れの此の書は、學者が子類を讀む上に就きて必要缺くべからざるものである。近來、兪樾の諸子平議は、之に倣ひ且つ其の足らざる所を補つたものであるが、學力は遠く念孫に及ばぬ。(狩野直喜『中國哲學史』岩波書店、580頁)

高松宮家に蔵される(小野)道風の『秋萩帖』の紙裏には、隋末唐初の筆者とみられる「淮南兵略間詁」があり、今本とは甚だしい相違であるが、なかでも驚くのは本文十五字・注文九字にも及ぶ今本の脱文が発見できるのである。…その部分に相応する王氏の校語は十五ヵ条あるが、その十四条までが古写の内容とぴったり一致するのである。わずかに違った一条は、今本に十五字も脱落のある箇所で、さすがの王氏もこれには考えようがなかったわけである。(金谷治『淮南子の思想』講談社学術文庫、101,107頁)

'02,8,4、齋主補足)

制作・著作:澁澤 尚 / 秋山 陽一郎
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